BIM/CIMとは ― 建設業の生産性を革新する技術
BIM(Building Information Modeling)は建築分野、CIM(Construction Information Modeling/Management)は土木分野における3次元モデルを活用した設計・施工・維持管理の統合手法です。国土交通省は2023年度から原則すべての公共工事でBIM/CIMの活用を義務化しており、中小建設会社にとっても導入は「いつやるか」の問題です。
BIM/CIMで何が変わるのか
| 業務プロセス | 従来(2D図面) | BIM/CIM(3Dモデル) | 改善効果 |
|---|---|---|---|
| 設計 | 2D図面を個別作成、整合性は手動確認 | 3Dモデルから自動的に各図面を生成 | 設計ミス80%削減 |
| 干渉チェック | 現場で発見→手戻り工事 | 3Dモデル上で事前に自動検出 | 手戻り工事90%削減 |
| 数量算出 | 図面から手動で拾い出し | 3Dモデルから自動算出 | 作業時間70%削減 |
| 施工計画 | 2D図面と経験に依存 | 4Dシミュレーション(3D+時間) | 工程の見える化 |
| 施主説明 | 図面の読解力が必要 | 3Dウォークスルーで直感的に理解 | 合意形成の迅速化 |
| 維持管理 | 竣工図書の保管 | デジタルツインによる一元管理 | 維持管理コスト30%削減 |
中小建設会社がBIM/CIMを始める3つのステップ
ステップ①:まずはビューワーから(投資ゼロで始める)
BIM/CIMモデルを「作る」前に、まず「見る」ことから始めましょう。無料のビューワーソフトを使えば、発注者や設計事務所から受け取った3Dモデルを閲覧・確認できます。
- Autodesk Viewer(無料):ブラウザベースでBIMモデルを閲覧
- BIM 360(無料プランあり):クラウドベースの共有・閲覧環境
- Solibri Anywhere(無料):IFCファイルの閲覧に特化
ステップ②:パイロットプロジェクトで小さく始める
1つの現場・1つの工種で試験導入し、実践的なスキルを習得します。最初は簡単な建物や構造物から始め、徐々に複雑なプロジェクトへ適用範囲を広げます。
ステップ③:社内体制の構築と本格展開
パイロットの結果を踏まえ、BIM/CIM担当者の育成、標準的なワークフローの策定、全社展開計画の作成を行います。
BIM/CIMソフトウェア比較
| ソフトウェア | 分野 | 月額費用 | 特徴 | 中小企業向け |
|---|---|---|---|---|
| Revit | 建築BIM | 約4.5万円 | 業界標準、プラグイン豊富 | ★★☆ |
| ArchiCAD | 建築BIM | 約3.5万円 | 直感的なUI、学習コスト低 | ★★★ |
| Civil 3D | 土木CIM | 約3万円 | 土木設計の標準ツール | ★★☆ |
| SketchUp Pro | 建築・土木 | 約4,000円 | 簡単操作、低コスト | ★★★ |
| Tekla Structures | 鉄骨・RC | 要問合せ | 構造詳細設計に強い | ★☆☆ |
| J-BIM施工図CAD | 建築施工 | 要問合せ | 日本の施工図に特化 | ★★★ |
中小建設会社へのおすすめ:まずSketchUp Pro(月額約4,000円)で3Dモデリングの基礎を学び、その後ArchiCADまたはRevitへステップアップするのが最もコストパフォーマンスの高いルートです。
ドローン×BIM/CIMの連携活用
ドローン測量で取得した点群データとBIM/CIMモデルを連携させることで、設計と現場の差異を自動的に検出できます。出来形管理の効率化と品質向上に大きく貢献します。
| 活用パターン | 効果 | 必要機材 | 投資目安 |
|---|---|---|---|
| 現況測量の3D化 | 測量工数1/3に短縮 | ドローン+測量ソフト | 100〜300万円 |
| 出来形管理 | 計測精度向上・工数削減 | ドローン+点群処理ソフト | 150〜400万円 |
| 進捗管理 | 定点撮影で工事進捗を可視化 | ドローン+管理システム | 50〜200万円 |
| 安全巡視 | 高所作業リスクの排除 | ドローン+カメラ | 30〜100万円 |
BIM/CIM導入の費用対効果
中小建設会社(従業員30名)がBIM/CIMを段階的に導入した場合の費用対効果シミュレーション:
| 項目 | 初年度 | 2年目 | 3年目 |
|---|---|---|---|
| ソフトウェア費 | 120万円 | 120万円 | 120万円 |
| ハードウェア費 | 200万円 | 0円 | 0円 |
| 研修・教育費 | 100万円 | 50万円 | 30万円 |
| 投資合計 | 420万円 | 170万円 | 150万円 |
| 設計ミス削減効果 | 100万円 | 200万円 | 300万円 |
| 手戻り工事削減 | 150万円 | 300万円 | 400万円 |
| 数量算出効率化 | 50万円 | 100万円 | 100万円 |
| 効果合計 | 300万円 | 600万円 | 800万円 |
| 累積ROI | ▲120万円 | +310万円 | +960万円 |
2年目以降は投資を大きく上回る効果が見込め、3年間の累積ROIは約960万円のプラスとなります。
BIM/CIM導入に活用できる補助金
- IT導入補助金:BIMソフトウェアの導入費用を最大3/4補助(上限450万円)
- ものづくり補助金:BIM/CIM+ドローンの統合システムに最大1,250万円
- 事業再構築補助金:BIM/CIMを活用した新サービスの開発に最大1億円
- 各都道府県の補助金:地域ごとにICT導入支援の制度あり
まずは無料経営相談から
「BIM/CIMの導入を検討しているが、自社の規模で費用対効果があるのか不安」「どのソフトウェアを選べばいいかわからない」という建設業経営者の方は、まずは無料経営相談で御社に最適な導入プランを一緒に検討しましょう。

