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見積メールが届かない|SPF・DKIM・DMARCを5分で点検

見積メールが届かない。SPF・DKIM・DMARCを5分で点検

監修: 代表取締役 佐藤 望(建設業界30年・建設業経理士1級/記事末に経歴)
最終確認日: 2026年10月18日(出典の数字と文言はこの日に原典で確かめました)

目次

結論: 見積メールが届かない原因の一つは、送信元の証明です

Googleは2024年2月1日から、個人用のGmailに送る全ての送信者に、SPFかDKIMを求めています(Google 公式ヘルプ)。取引先が会社のドメインでGoogle Workspaceを使っている場合は、この要件の対象外です(Google 公式FAQ)。

SPFとDKIMは、「このメールは本当にその会社から出た」と相手に示す仕組みです。設定がないメールは、迷惑メールに分類されたり、拒否されたりすることがあります(同ヘルプ)。

迷惑メールになる原因は、ほかにもあります。ただ、この設定は自分で確かめられます。本記事では次の2つを点検します。

  • SPF・DKIM・DMARCの判定が、3つともPASSになっているか
  • 署名(DKIM)の名前が、自社のドメインになっているか

Gmailは2024年2月から、全ての送信者に証明を求めている

Googleの要件は、送る量で2段に分かれます。

送る量 必要な設定
全ての送信者 SPFかDKIM
1日に5,000件を超える送信者 SPFとDKIMの両方と、DMARC

表の出典はGoogle 公式ヘルプです。

5,000件は、見積や請求書だけでなく、同じドメイン(子ドメインを含む)から個人用Gmailへ送る全てのメールを合わせて数えます。一度この扱いになると、期限はありません(Google 公式FAQ)。メルマガを出している会社は、件数を確かめてください。ただしGoogleは、全ての送信者にSPF・DKIM・DMARCの設定を勧めています。

迷惑メール対策推進協議会の資料も、SPFとDKIMの両方を勧めています(DMARC導入ガイドライン、2024年7月発行)。

3つの設定を建設の言葉で言うと

見積メールが届かないときに見るSPF・DKIM・DMARCを郵便にたとえた図。SPFは出してよい郵便局の一覧、DKIMは封筒の割印、DMARCは合格しないときの扱い。どちらかが通り名前が差出人と同じなら合格
図1 送信元の証明を郵便にたとえると(Google・迷惑メール対策推進協議会の資料から当社が整理)

SPF: 出してよい郵便局の一覧

SPFは、自社の名前でメールを出してよい送信元を、一覧にして公開する設定です。Googleは、この一覧に自社の全ての送信元を入れるよう求めています。一覧に載っていない送信元から出したメールは、迷惑メールになりやすくなります(Google 公式ヘルプ)。

DKIM: 封筒の割印

DKIMは、メールに電子の印を付ける設定です。受け取る側は、その印で、本当にそのドメインの持ち主が出したメールかを確かめます(同ヘルプ)。

DMARC: 合格しないときの扱い

DMARCは、SPFかDKIMの少なくとも一方が通り、その名前が差出人欄のドメインと一致していれば「合格」とする決まりです。合格しなかったメールをどう扱ってほしいかを、受け取る側に伝えます(同ヘルプ)。

扱いは3段階で決めます。

  • p=none: 合格しなかったメールの拒否や隔離を、受け取る側に求めない(様子を見る)
  • p=quarantine: 失敗したメールを、迷惑メールなど隔離の扱いにする
  • p=reject: 失敗したメールを、受け取らない

p=quarantineとp=rejectは、なりすましメールが相手に届くのを抑えます。p=noneは様子を見るための設定です(迷惑メール対策推進協議会)。

5分でできる点検: 自分のGmailに自社から送る

用意するのは、Gmailのアドレス1つだけです。慣れれば5分ほどの作業です(当社の目安)。

  1. 見積を送るときと同じ送り方で、自分のGmail宛てにテストメールを送る
  2. Gmailで、そのメールを開く
  3. 返信アイコンの横の「その他」を押し、「メッセージのソースを表示」を選ぶ(Google 公式ヘルプ)
  4. 表示された画面の上の方に、SPF・DKIM・DMARCの判定が並ぶので、3つの結果を見る(@IT の解説)
Gmailの「メッセージのソースを表示」でSPF・DKIM・DMARCの判定を確かめる4つの手順。3つともPASSなら正常
図2 Gmailで確かめる場所(Google 公式ヘルプ・@ITの解説から作成)

ポイントは、見積を送る人ごと、送る道具ごとに試すことです。事務所のパソコンと現場のスマートフォンでは、送信元が違うことがあります。

PASSでない行があれば、下の「よくある型」で近いものを探します。原因の確定には、ドメインの管理会社や、メールの提供元への確認が要ります。

テストメールがPASSでも、全ての取引先で同じ結果になるとは限りません。この点検は、Gmail宛ての結果です。

点検の結果を、一緒に読みませんか

PASSでない行があったとき、誰に何を頼むかで迷う会社は多いと思います。アプリバンクの無料経営相談(60分)では、点検の結果を見ながら、設定を誰が持つか、どの順で直すかを整理できます。

よくある型3つ(架空の設定例です)

実在の会社の調査結果ではありません。設定の例は、すべて架空のドメイン(example.co.jp)です。

型1: 設定はあるが、p=noneのまま

_dmarc.example.co.jp  TXT  "v=DMARC1; p=none"

DMARCの設定はあります。ただ、p=noneは、合格しなかったメールの拒否や隔離を、受け取る側に求めない設定です。偽のメールをどう扱うかは、受け取る側の判断に任されます。

この型は、見積が届かない原因ではありません。自社の名前をかたった偽メールへの備えが弱い、という別の課題です。

p=noneは、最初の一歩として正しい設定です。迷惑メール対策推進協議会も、p=noneから始めるよう勧めています。問題は、そのまま置き続けることです。

型2: 署名の名前が、レンタルサーバーの会社になっている

メールには印が付いていても、その印の名前が自社でなく、メールを預けているサーバーの会社の名前、という場合があります。

差出人は「見積担当@example.co.jp」なのに、印の名前はサーバー会社のドメイン、という状態です。DMARCは、SPFかDKIMのどちらかで、差出人欄のドメインと名前が一致していることを求めます(Google 公式ヘルプ)。印の名前が違い、SPFの名前も一致していなければ、DMARCは通りません。

提供元に、自社のドメイン名で印を付ける設定があるか確かめます。

型3: GoogleやMicrosoft 365に移ったのに、SPFを足していない

メールの預け先を変えたとき、郵便局の一覧(SPF)を直し忘れる型です。

例えば、これまでのサーバーだけを載せた一覧のまま、見積メールを新しいサービスから出すと、新しい送信元は一覧にありません。Googleは、この場合に迷惑メールになる可能性が高くなると書いています(Google 公式ヘルプ)。

大手はどこまで進んでいるか

セキュリティ会社の調査があります。2026年7月の調査で、日経225の企業のDMARC導入率は92%でした(同社のブログ、2026年8月27日)。2024年8月は83%でした。

ただし、「導入」と「止める設定」は別です。

日経225企業のDMARCポリシー(2026年7月) 割合
reject 21%
quarantine 22%
none 48%
未導入 8%

四捨五入のため、合計は100%になりません。rejectとquarantineを合わせた43%が、同社の言う「本格運用」です。

この調査は、メールセキュリティの製品を扱う会社が行ったものです。対象は日経225で、中小の建設会社ではありません。読み方は、大手でも約半数がnoneの段階、ということです。

直す順番: SPF、DKIM、DMARC(none)、quarantine

順番は、当社の整理です。根拠は、Googleの要件と、迷惑メール対策推進協議会のガイドラインです。

SPF・DKIM・DMARCを直す順番の4段。SPF、DKIM、DMARC(p=none)、quarantineの順に進める
図3 直す順番の4段(Google・迷惑メール対策推進協議会の資料から作成)

第1〜2段: SPFとDKIMを揃える

まず、見積や請求書を出している送信元を、全て書き出します。事務所のメール、見積システム、請求書の配信サービス、複合機のメール送信なども入れます。

その全てを、SPFの一覧に入れます。次に、DKIMの印を付けます。

第3段: DMARCはp=noneで始め、報告を受ける

DMARCは、p=noneで始めます。受け取った側からの報告(レポート)で、自社の名前を使っている送信元を確かめるためです。報告を受け取るには、報告の送り先(rua)も書きます。

_dmarc.example.co.jp  TXT  "v=DMARC1; p=none; rua=mailto:[email protected]"

報告は、人が読むには向かない形式で届きます。協議会は、ツールや分析サービスを使うよう勧めています。

第4段: 確認できたら、quarantineへ

報告で、正しい送信元がすべて認証に通っているとわかってから、quarantineに上げます。

DMARCに通っていない正規の送信元が残ったまま強めると、その送信元から出した届けたいメールまで、迷惑扱いや拒否になりえます。セキュリティ会社も、把握していない送信元を残したまま強めないよう注意しています。上げる時期は、報告を見て決めます。

協議会のガイドラインは、最終的にrejectを目指すよう勧めています。どこまで上げるかは、取引先の求めと、報告を見られる体制で決めます。

統合最適化で見る: 人・DX・収益

アプリバンクの統合最適化メソッドは、人材育成、DX推進、収益改善を一体で見ます。メールの証明にも同じ見方が使えます。

人材育成: 設定を、誰が持つか

DNSの設定はドメインの管理者が、メールの設定はメールの提供元が、それぞれ担当します。協議会のガイドラインも、両方の担当者の作業が要ると書いています。

社内で窓口を1人決めます。ドメインの管理会社とメールの提供元の連絡先を、紙1枚にまとめます。

DX推進: 点検を仕組みにする

メールの預け先を変えたとき、見積システムを足したときに、点検を1回やると決めます。手順書に1行入れるだけです。

収益改善: 届かない見積は、失注の芽になりうる

迷惑メールに入った見積は、相手が気づかない可能性があります。届かなかったことによる失注の件数や金額は、今回の原典では確認できていません。まず、自社の見積メールが認証に通っているかを確かめます。

三つの軸は、つなげて効きます。窓口の人がいて、点検の手順があり、届く見積が受注の機会を守ります。

よくある質問

Q1. 見積メールが迷惑メールに入るのは、SPFやDKIMのせいですか。

原因の一つになりえます。Googleは、認証されていないメールは、迷惑メールに分類されたり拒否されたりすることがあると書いています。ただし、原因はほかにもあります。認証の設定は、自分で確かめられる部分です。

Q2. うちは1日に5,000通も送りません。それでも設定が要りますか。

要ります。2024年2月1日以降、個人用Gmailに送る全ての送信者に、SPFかDKIMが求められています。DMARCまで必須なのは、同じドメインから1日に5,000件を超えて送る送信者です(メルマガなども合わせて数えます)。ただしGoogleは、全ての送信者にSPF・DKIM・DMARCを設定するよう勧めています。

Q3. DMARCをp=noneにしておけば安心ですか。

最初の一歩としては正しい設定です。ただ、p=noneは受け取る側に拒否や隔離を求めない設定です。偽メールへの備えとしては、報告を見てquarantineに進めます。

Q4. メールの預け先を変えたら、何を直しますか。

新しい送信元をSPFの一覧に入れ、自社のドメイン名のDKIMの印を付けます。最後に、自分のGmailにテストを送ります。

Q5. 設定は自分でやるべきですか。

自分でできるのは点検です。DNSの設定はドメインの管理者が、メールの設定は提供元が行います。直す作業は、依頼して構いません。

点検結果の読み方や窓口の決め方は、無料経営相談(60分)でご相談いただけます。

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出典一覧(取得日 2026-10-18)

本記事は一般的な情報提供です。メールの設定は、ご利用のメールサービスとドメインの管理会社にご確認ください。

更新履歴: 2026-10-18 初版

監修

佐藤 望

監修:佐藤 望(株式会社アプリバンク 代表取締役)。建設業界30年。大手ゼネコンで国内の大規模プロジェクトを担当し、海外では子会社の立ち上げと経営再建に従事。

保有資格は認定ファシリティマネジャー/日商簿記1級/建設業経理士1級/第一種衛生管理者。日本内部監査協会 会員、東京商工会議所 会員。

経済産業省「DX認定事業者」(DX-2026-06-0021-01)。建設業に特化し、人材育成・DX推進・収益改善を統合した支援(統合最適化)を提供。お問い合わせは無料経営相談または TEL 03-6826-0180 へ。


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