「問い合わせが来ない」には、まったく違う3つの原因があります
ホームページを作り直した。写真も入れ替えた。それでも問い合わせが来ない。建設業の経営者から、この相談をよく受けます。
検索すると、対策はいくらでも出てきます。スマホ対応をしなさい。フォームを短くしなさい。施工実績を増やしなさい。どれも間違いではありません。
ただ、その前に決めることがあります。いま自社で起きているのは、次の3つのうちどれなのかということです。
- ①そもそも検索結果に出ていない ― 表示回数そのものが少ない
- ②表示はされているが、クリックされない ― 順位はあるのに選ばれていない
- ③クリックは来ているが、問い合わせに至らない ― 読まれて、帰られている
この3つは、直す場所がまるで違います。

①なら、まず検索に出ているかを確かめる話です。インデックス登録や、表示を妨げている技術的な要因がないかを見ます。ページを増やすかどうかは、そのあとの判断です。②は言葉とタイトルの話です。③はページの中身と導線の話です。ところが多くの会社は、確かめないまま③の対策から入ります。フォームを短くし、写真をきれいにする。それで変わらない、となります。
原因が①や②なら、フォームを短くするだけでは表示回数もクリック率も変わりません。制作費だけが出ていきます。
当社のサイトで実際に起きていることを、数字で出します
他社の話より、自分のところの数字のほうが役に立つと思います。当社のサイトの実測を出します。Google Search Console の2026年8月14日から9月10日までの28日間です。

- クリック率 1.30%/平均掲載順位 12.0位
表示は2万5千回あります。順位も、平均で12位です。つまり①ではありません。検索結果には出ています。
それでも、100回表示されて1回強しか押されていません。
中身を見ると、もっとはっきりします。表示回数の多い3ページはこうなっていました。
- ゼネコンとは ― 8.4位/表示の構成比19.4%/クリック率 0.72%
- スーパーゼネコン5社の決算 ― 7.2位/表示の構成比18.7%/0.85%
- サブコン10社の決算 ― 6.5位/表示の構成比11.0%/1.95%
| ページ | 平均順位 | 表示 | クリック | クリック率 |
|---|---|---|---|---|
| ゼネコンとは | 8.4位 | 4,977 | 36 | 0.72% |
| スーパーゼネコン5社の決算 | 7.2位 | 4,808 | 41 | 0.85% |
| サブコン10社の決算 | 6.5位 | 2,816 | 55 | 1.95% |
この3ページだけで、サイト全体の表示の半分近くを占めます。それでもクリック率は、いちばん高いサブコン10社の決算でも1.95%です。
当社で起きているのは②です。順位は取れている。表示もある。選ばれていない。
クリック率0.47%のページが教えてくれたこと
いちばん極端な数字が、ひとつありました。
「竹中工務店」という検索語で、当社のページが平均2.3位に出ていました。表示は、サイト全体の7.5%にあたる回数でした。この期間の平均掲載順位は2.3位でした。
クリックは9回でした。クリック率0.47%です。
理由を考えると、当たり前のことでした。「竹中工務店」と打った人が探しているのは、竹中工務店の公式サイトだと考えられます。決算をまとめた解説記事を探していたとは考えにくいところです。
順位は2位でした。表示も十分ありました。それでも、その人の用事に当社のページは合っていなかった、ということです。
当社で見ている範囲では、②の原因として検索意図のずれが大きいと考えられます。順位が足りないのではなく、呼んでいる人が違う。
なお、いまの0.47%は検索語ごとの数字です。次に出すページごとの数字とは物差しが違うので、そのまま並べて倍率を出すことはできません。比べるときは、同じ物差しにそろえてください。ここを混ぜると、差が大きく見えすぎます。

同じサイトの中で、クリック率が8.3倍ちがいます

グラフを見てください。順位の差は1.3位しかないのに、クリック率は8.3倍ちがうのです。
8.4位のページが0.72%。7.1位のページが5.98%。7.5位のページが6.34%です。3つともページ単位の数字で、同じ物差しで比べています。
| 何で来ているか | ページ | 順位 | クリック率 |
|---|---|---|---|
| 会社名・一般語 | ゼネコンとは | 8.4位 | 0.72% |
| 困りごと | 建設業の週休2日 | 7.1位 | 5.98% |
| 困りごと | 育成就労とは | 7.5位 | 6.34% |
何が違うのか。検索した人の用事です。
会社名で調べている人は、その会社を見に行きます。解説は要りません。いっぽう週休2日をどう回すか、外国人をどう受け入れるかで調べている人は、答えを探していると考えられます。だから読みに来ます。
表示回数だけを見ていると、上の1行が優秀に見えます。5千回近く出ているからです。ですが、クリック率が高いのは下の2行です。
自社のサイトで、この2種類がどう混ざっているか。ここを分けないまま「アクセスが足りない」と言っても、話が進みません。
自社のサイトが3つの原因のどれに当たるのか、数字を見ながら切り分けたい場合は無料相談をご利用ください。サーチコンソールの数字を一緒に開くところから始めます。
クリックは来ているのに、問い合わせが無い場合
③の話もします。ここでも、当社の数字を出します。
当社の無料相談のページは、28日間で平均9.5位・表示51回・クリック0回でした。対象の28日間、Search Console 上ではこのページへのクリックは0回でした。
相談ページに検索から人が来ることは、もともとあまりありません。記事を読んだ人が、そのあと移動してくるのが本来の形です。
Search Console 上では、検索から相談ページへのクリックは0回です。記事から移動できているかどうかは、内部リンクのクリックを測らないと分かりません。これは当社自身の課題で、いま直している最中です。
当社が見てきた範囲では、同じことが多くの会社のサイトで起きています。よくある形はこうです。
- ボタンは置いてある。ただし記事のいちばん下だけにある
- ボタンの文字が「お問い合わせ」だけで、押したあと何が起きるか書いていない
- 押した先のフォームに、入力欄が10個以上ある
- 会社の住所・電話・代表者名が、フッターの奥に小さく置かれている

建設業では、ここにもうひとつ事情が乗ります。「問い合わせたら、すぐ見積もりや営業が来るのではないか」という警戒です。
これは書けば解けます。誰が出るのか。何分かかるのか。そのあと売り込みがあるのか。この3つを書いておくだけで、押しやすさは変わります。
建設業のサイトでとくに多い3つ
建設業のサイトを見ていると、同じ形によく出会います。3つ挙げます。
1. 施工実績が「自社のアルバム」になっている
現場写真が並び、工事名と竣工年が添えてあります。作った側は満足します。
ですが読む人は、自分の現場がどうなるかを見に来ています。どんな困りごとがあって、何をして、その結果どう変わったのか。この順で書かれていないと、ただの写真です。見積書で「安いほう」と言われない根拠の作り方と、考え方は同じです。
2. 専門用語のまま出している
同業者には通じます。しかし発注する側の担当者は、同じ言葉で検索するとは限りません。
検索されている言葉と、サイトに書いてある言葉。この2つがずれていると、探している人の検索結果に出にくくなります。①の原因になります。
集客の全体像は建設業のマーケティングにまとめています。本記事は、そのうち「サイトの数字をどう読むか」だけを扱います。
3. トップページが会社の歴史から始まる
創業年、沿革、社長あいさつ。大事な情報ではあります。
ただ、はじめて来た人が最初に知りたいのは「この会社は自分の用事を解決してくれるのか」です。スマートフォンの1画面目で、それが伝わるかどうか。当社がサイトを見るときも、まずここを確かめます。

7日でできる、直す前の診断
お金をかける前に、順番があります。1週間でできます。

- 1日目 ― Google Search Console に自社サイトを登録する(無料)。すでに登録済みで28日以上データが貯まっている場合は、2日目から始めてください。新しく登録した場合は、データが集まり始めるまで数日かかります(Google 公式ヘルプ)。その場合は、下の2日目以降を、データが揃ってからの手順として読んでください。
- 2日目 ― 直近28日の「表示回数」「クリック数」「クリック率」を見る
- 3日目 ― 表示回数の多い順に、上位10ページを書き出す
- 4日目 ― その10ページを「会社名・一般語で来ている」と「困りごとで来ている」に仕分ける
- 5日目 ― 困りごとで来ているページのクリック率を確かめる。低ければタイトルを直す
- 6日目 ― そのページから相談ページへの案内が、本文の途中にもあるか確かめる
- 7日目 ― 直す順番を1つだけ決める。同時に3つ直さない
同時に直してはいけないのは、効いたものが分からなくなるからです。ひとつ直して、2週間おいて、また見る。この繰り返しになります。
Search Console の登録手順は、Google の公式ヘルプに載っています。制作会社に頼まなくても、自社で登録できます。
これは「ホームページの話」ではなく、経営の話です
ここまで数字の話をしてきました。最後に、なぜこれが経営の話なのかを書きます。
収益の面では、直す場所を間違えないこと自体が効きます。原因が②なのに③を直せば、制作費は出ていき、数字は動きません。先に診断すれば、この出費は避けられます。
デジタル活用の面では、Search Console を見る習慣がつくと、判断が変わります。「なんとなく古いから作り直す」ではなく、「この数字がこうだから、ここを直す」になります。感覚から数字へ、判断の土台が移ります。
人の面では、この作業は社内の若手に向いています。特別な資格は要りません。数字を読んで仕分けるだけです。自社の数字を自分で読める人がひとり育つと、外注先との話がまったく変わります。言われるままに発注する側から、根拠で相談する側になります。
ホームページは、作って終わるものではありません。測って、直して、また測る。この回し方を社内に持てるかどうかが、差になります。
当社はこれを統合最適化メソッドと呼んでいます。人材育成・DX推進・収益改善は、別々に取り組むものではありません。
数字を読める人がひとり育ちます(人材育成)。すると判断の土台が、感覚から数字に移ります(DX推進)。
直す場所を間違えにくくなるので、無駄な制作費を減らすことにつながります(収益改善)。ホームページの診断は、この3つが同時に動く小さな入口です。

まとめ

- 「問い合わせが来ない」は、①表示が無い ②クリックされない ③読まれて帰られる の3つに分かれます
- 直す場所が違うので、どれなのかを先に確かめます
- 当社の実測では、28日間のクリック率は1.30%、平均掲載順位は12.0位でした
- ページ単位でそろえると、会社名・一般語で来るページは0.72%、困りごとで来るページは5.98%と6.34%。8.3倍と8.8倍ちがいます
- 順位が足りないのではなく、呼んでいる人が違うことが多くあります
- お金をかける前に、Search Console で7日かけて診断します
自社のサイトの数字をどう読めばいいか、いちど一緒に見てみたいという方は、無料相談をご利用ください。数字を開いて、どこから直すかを決めるところまでご一緒します。
出典
- Search Console にプロパティを追加する(Google 公式ヘルプ)
- 表示回数・掲載順位・クリック数とは(Google 公式ヘルプ)
- SEO スターター ガイド(Google 検索セントラル)
- 本文中の数値は、applibank.com の Google Search Console の実測値です。対象期間は2026年8月14日〜9月10日の28日間。2026年9月13日に取得しました。Google公式の3資料は、2026年9月15日に参照しています。
監修

監修:佐藤 望(株式会社アプリバンク 代表取締役)。建設業界30年。大手ゼネコンで国内の大規模プロジェクトを担当し、海外では子会社の立ち上げと経営再建に従事。
保有資格は認定ファシリティマネジャー/日商簿記1級/建設業経理士1級/第一種衛生管理者。日本内部監査協会 会員、東京商工会議所 会員。経済産業省「DX認定事業者」(DX-2026-06-0021-01)。
建設業に特化し、人材育成・DX推進・収益改善を統合した支援(統合最適化)を提供。お問い合わせは無料経営相談または TEL 03-6826-0180 へ。

