監修: 代表取締役 佐藤 望(建設業界30年・建設業経理士1級/記事末に経歴)
最終確認日: 2026年10月28日(法令と国の資料は、この日に原典で確かめました)
冬の現場で、職人を一人も倒れさせたくない。この記事は、そう考える社長と工事部長に向けて書いています。12月から2月にかけて、寒中コンクリートを打つ会社です。地下やピット、改修中の室内で、発電機やエンジンの工具を回す会社でもあります。
一酸化炭素(CO)には、色もにおいもありません。頭が痛い、気分が悪いと感じたときには、もう動けなくなっていることがあります。だから、冬の段取りが決まる11月のうちに手を打ちます。
結論: 11月中に、3つのことを決めておきます
養生のやり方も発電機の置き場所も、工程表を引くときに決まります。だから11月中に、次の3つを決めます。
- 決める1: COが出る機材と場所を、現場ごとに書き出す
- 決める2: 換気・CO警報装置・呼吸用保護具を、作業場所と人数の分そろえる
- 決める3: 警報が鳴ったときの動き方を、元請と下請で同じにする
どれも、大きな機械を新しく買う話ではありません。紙1枚の作業手順書と、測る道具の数を数えるところから始めます。
年末に向けた安全の段取りの全体は、年末年始無災害運動|建設業が10月中に決める5つにまとめました。この記事は、冬のCO中毒だけをあつかいます。

なぜ冬の現場で、COの事故が起きるのか
厚生労働省のガイドラインの解説は、建設業でCOが出るもととして、風通しの悪い場所での次の3つを挙げています。
- ガソリンエンジンなどで動く小さな機械
- コンクリート養生の練炭コンロなど
- 暖房器具の不完全燃焼
冬は、この3つが重なります。シートで覆い、開口部を閉め、その中で発電機を回すからです。
広島労働局も令和4年11月の資料で、冬のあぶなさを書いています。寒さをしのぐために閉め切った場所で、機械や火を使うので、CO中毒がふえると見込まれる、というものです。
寒中コンクリートの養生は、覆って、風を防いで、温める
国土交通省の土木工事共通仕様書(案)(令和8年3月)は、寒中コンクリートの目安を決めています。1日の平均の気温が4℃以下になると見込まれるときです。
同じ節は、打ち込んだらすぐにシートなどで表面を覆い、とくに風を防ぎ、養生の温度を5℃以上に保つよう求めています。同じ節には養生の期間や、温めすぎ・急に冷やすことを防ぐ定めもあります。ただ、人が中に入るための囲いを設けることまでは、定めていません。
ただ、その覆いの中や、上屋やシートで囲った中に人が入って作業をすると、そこは空気がこもる閉じた場所になります。そこで燃料を燃やして温めれば、COは外へ逃げにくくなります。ここは当社の見立てです。
石油ストーブやジェットヒーターのように、燃料を燃やして温める器具も、燃え方が悪くなればCOを出します。
国の集計では、建設業のCO中毒の多くが発電機などのエンジンだった
厚生労働省の平成23年7月の通知によると、化学物質による中毒の労働災害のうち、1〜2割がCOによるものでした。休業4日以上の被災者は、毎年30名以上でした。
原因まで分けた国の数字で、当社が原典で確かめられたいちばん新しいものは、平成24年から26年の3年分です。厚生労働省の通達の別紙によると、この3年間のCO中毒の死傷者(休業4日以上)は136人でした。
このうち、換気が足りずに起きた建設業の死傷者は57人です。内わけは、室内などで発電機などのエンジンを使ったものが49人、コンクリート養生の練炭によるものが3人などでした。
10年以上前の数字で、いまの件数がふえたかへったかは、この資料からは言えません。ただ東京労働局は令和8年3月の文書でも、このガイドラインで換気などをきちんと行うよう指導している、と書いています。

事故は、ふだんの現場で起きていた
厚生労働省の資料にある、建設の工事で起きた例を並べます。
| 時期 | 場所と作業 | 被災 |
|---|---|---|
| 平成20年3月 | 吹付け石綿の除去工事。別の部屋に置いた発電機の排ガスが、養生した部屋に流れ込んだ | 休業6名 |
| 平成22年3月 | 厨房の排水設備の改修。ブルーシートで囲った中で、エンジン式のコンクリートカッターを使った | 休業2名 |
| 平成26年 | 鉄道高架橋の箱桁の中。照明や電動工具の電源に、ポータブル発電機を使った | 中毒3名 |
| 平成26年 | 倉庫の中。ガソリンエンジンで動くコンクリートカッターで、鉄筋コンクリートの床を切った | 中毒3名 |
| 平成26年 | 社会福祉施設の浴室改修。発電機を浴室に持ち込んだ。排風機で排気を外に出していたが、換気が足りなかった | 中毒4名 |
| 平成26年 | 宅地造成。ブルーシートをテント状に掛け、練炭コンロで養生しながら、中で均し作業をした | 中毒2名 |
表の平成26年の中毒者の数には、休まずにすんだ人と、休みが4日未満の人もふくみます。平成26年の事例はどれも、原因の欄に「警報装置未設置」と「安全衛生教育不十分」が並んでいます。
宅地造成のような外の工事でも、シートで囲えば、中は閉じた場所になります。排風機を付けていても、力が足りなければ防げません。換気を「した」かどうかでなく、「足りている」かを測って確かめます。

COには、においで気づけない
広島労働局の資料によると、空気中のCOが200ppmなら、2〜3時間のうちに軽い頭痛が出ます。3,200ppmでは5〜10分で頭痛やめまいが起き、30分で死亡するとされています。COは空気とほぼ同じ重さで、色もにおいもありません。
ガイドラインも、においで保護具が要るかどうかを決めることは「絶対行わないこと」としています。たよれるのは、測る道具の数字だけです。
法令で決まっていることと、ガイドラインが求めていること
まず、守らなければならない決まりがあります。労働安全衛生規則の第578条です。
事業者は、坑や井筒、タンクの中など、自然の風通しが足りない場所で、エンジン(内燃機関)のついた機械を使ってはなりません。ただし、排気ガスで体をこわさないよう、その場所を換気するときは別です。
つまり、使うなら換気する、ということです。どのくらい換気すれば足りるかの数字は、この条文には書かれていません。
そこで手がかりになるのが、厚生労働省の「建設業における一酸化炭素中毒予防のためのガイドライン」です。平成10年6月1日の通達(基発第329号の1)で示されました。
法令で決まった対策に加えて、事業者と元請(元方事業者)が気をつけることをまとめたものです。条文そのものではありません。
解説は、第578条のほかにも当てはまりうる条文を挙げています。第585条(立入禁止など)、第593条(呼吸用保護具など)、第596条(保護具の数など)、第601条(換気)などです。ガイドラインの主な中身は次のとおりです。
| 項目 | ガイドラインに書かれていること |
|---|---|
| 作業責任者 | COにくわしい人の中から作業責任者を選び、作業手順書を作らせるよう努める。特定の資格は条件にしない |
| 元請の管理 | 下請から作業手順書を出させる。現場を見まわり、下請どうしの連絡と調整をする。おそれがあれば立入禁止にする |
| 作業管理 | 風通しの足りない所では、エンジンの機械や練炭コンロを使わない。やむを得ず使うときは換気に加え、COの少ない機材を選び、作業の間も濃さを測り続ける |
| 作業環境管理 | 作業の前に、換気の効き目をCO濃度計で確かめる。ファンの風量も実際に測る |
| 警報装置 | 作業場所がいくつかあれば、それぞれに置く。使う前に鳴るかを確かめ、作業の前にゼロ合わせをする |
| 呼吸用保護具 | 換気が十分と確かめられているとき以外は使う。COと酸素の濃さを見て、合うものを選ぶ。においで決めない |
| 教育 | 雇い入れたときや作業が変わるときに教える。逃げ方と連絡の訓練もする |
雪や強い風で作業を止めるときの条文は、建設現場の作業中止基準|悪天候で止める20の条文と3つの数字にまとめました。
決める1: COが出る機材と場所を、現場ごとに書き出す
この冬に動く現場を一覧にし、現場ごとに次の2つを書き出します。
- COを出す機材: 発電機、エンジン式のカッター、練炭コンロ、燃料を燃やす暖房器具など
- 空気がこもる場所: 地下、ピット、箱桁の中、改修中の室内、シートで囲った養生の中など
2つが重なるところが、手を打つ場所です。下の表は、国や労働局の資料にある事故を、機材と場所で並べたものです。自社の現場を書き出すときの見本にしてください。
| COを出す機材 | 空気がこもる場所 | 資料にある事故 |
|---|---|---|
| 発電機 | 地下・箱桁の中・改修中の室内 | 平成20年7月 解体工事の地下で6名(秋田労働局)/平成26年 高架橋の箱桁で3名、浴室の改修で4名 |
| エンジン式のコンクリートカッター | シートで囲った中・倉庫の中 | 平成22年3月 ブルーシートの中で休業2名/平成26年 倉庫で3名 |
| 練炭コンロ(養生) | シートで覆った養生の中 | 平成18年2月 基礎をシートで密閉し1名(秋田労働局)/平成26年 宅地造成のテントの中で2名 |
| 燃料を燃やす暖房器具 | 閉め切った室内・囲いの中 | ガイドラインの解説が、COが出るもとの1つに挙げている |
書き出すときは、機材を置く場所と人が働く場所を、分けて書きます。平成20年3月の石綿除去工事のように、別の部屋の発電機の排気が、人のいる部屋へ流れ込むことがあるからです。
まず、COを出さない機材に替えられないかを見る
ガイドラインは、風通しの足りない場所では、エンジンの機械や練炭コンロを使ってはならないと書いています。使うのは、作業の性質から、やむを得ないときです。そのときも、COの少ない機材を選ぶよう求めています。
そこで機材ごとに、仮設の電源やバッテリー式の工具、燃料を燃やさない温め方に替えられないかを見ます。替えられるかは現場の条件によるので、ここは当社の提案です。
練炭による養生では、換気すると養生のじゃまになることがあります。ガイドラインはそのときについて、機材を替える、作業のやり方を改める、合った呼吸用保護具を使う、の3つを示しています。
作業責任者を決め、作業手順書を1枚にする
ガイドラインは、COが出る作業では、COにくわしい人から作業責任者を選ぶよう求めています。書き方は「努めること」で、特定の資格は条件にしていません。職長や現場代理人のうち、教育を受けた人を当てるのが現実的だと当社は考えます。
作業責任者は、作業手順書を作ります。ガイドラインが挙げる書くことのうち、主なものは次のとおりです。
- 作業の日時・場所・中身と、働く人の数
- 使うCO発生機材(発電機・練炭コンロなど)
- 換気のやり方と、使う換気の設備
- 使う呼吸用保護具
- COと酸素の濃さをいつ、どう測るか。警報装置の種類
- 作業の手順と、いざというときの動き方
会社で1枚のひな形を作り、現場ごとの中身だけを書き込む形にしておきます。
決める2: 換気・警報装置・保護具を、作業場所と人数の分そろえる
2つ目は、道具の数です。寒くなってから在庫をさがさないよう、11月のうちに数えます。何を、いくつそろえるかは、次の表のとおりです。
| 何を | いくつ | ガイドラインの根拠 |
|---|---|---|
| CO警報装置 | 同じ日にCOが出る作業をする場所の数。故障にそなえた予備(予備は当社の提案) | 5(3) 作業場所ごとに置く/5(5) 使う前に鳴るかを確かめる |
| 酸素濃度計 | CO警報装置と同じ場所の数(台数は当社の提案。ガイドラインは台数を定めていない)。COと酸素を1台で測れる機種なら兼ねられる(機種の仕様で確かめる) | 2(1)イ(リ) COと酸素の濃さの測り方を手順書に書く/3(4)ロ もう一度入る前にCOと酸素の濃さを確かめる |
| 呼吸用保護具 | 働く人の数と同じか、それより多く | 3(1)ハ 人数分以上あるかを確かめる |
| CO用防毒マスクの吸収缶 | 早めに替える分と、警報のあとに替える分の予備 | 6(5)ヘ 余裕をもって替える/3(4)ロ もう一度入るときは替える/3(3)イ 使ったらすぐ捨てる |
| 送気マスクか空気呼吸器(救出と、濃いCOのおそれがある場所用) | 中に入る人の分と、専任の監視者 | 6(2) 濃さを見て選ぶ/6(3)(4) 専任の監視者を置くよう努める/6(5)イ・ロ 防毒マスクを使わない場所がある |
| ファン | 力に余裕のあるもの。使う前に風量を測る | 4(4) 風量を実際に測る/4(6) 余裕のあるファンを選ぶ |
換気は「した」でなく「足りている」を測る
ガイドラインは、作業の前に換気の効き目をCO濃度計で確かめるよう求めています。ファンも、吹出し口か吸込み口の風量を測って、使う前に確かめるとしています。
解説には、酸素が足りなくなる場所での例として、2つの目安が「参考」として載っています。中の空気の5倍以上の新しい空気を送ってから測ること、作業の間は1時間に20回以上の割合で換気を続けることです。
CO作業の基準の値ではありませんが、ファンの力を選ぶ手がかりになります。
機械での換気は、送る側と出す側の両方にファンを置くやり方(送排気式)が望ましいとされています。力に余裕のあるファンを選び、ダクトなどで風が弱まる分(圧力損失)も見込みます。
警報装置は、作業場所ごとに置く
COの警報装置は、作業場所がいくつかあれば、それぞれに置くよう求められています。使う前に鳴るかを確かめ、作業の前にゼロ合わせもします。
台数は冬の工程表から数えます。COが出る作業が、同じ日に何か所で重なるか。その数がいちばん少ない台数で、こわれたときのために予備も見ておきます。
表の平成26年の4つの事例は、どれも原因の欄に「警報装置未設置」とありました。現場の測る道具を選ぶときの考え方は、建設現場の安全IoT|買う前に決める4つと2025年6月の義務にまとめています。
呼吸用保護具は人数分以上。防毒マスクの限界も知っておく
呼吸用保護具が、働く人の数と同じか、それより多くあるかを、作業の前に確かめます。換気が十分と確かめられているとき以外は、使わせることになっています。
CO用の防毒マスクには、使えない場面があります。濃いCOがあるおそれのある場所と、酸素が足りないおそれのある場所です。国家検定に合格したものを使い、COの吸収缶は使い回しません。
吸収缶は、使い回さないだけでは足りません。ガイドラインは、COが通り抜けはじめるまでの時間(破過時間)に余裕をもって替えるよう求めています。
この時間は、作業のきつさや人、温度や湿気で変わり、とくに湿気が多いほど短くなるとされています。長く置いたものは力が落ちていることもあります。
使い終わった吸収缶は、あとで間違えて使わないよう、すぐに捨てます。警報が鳴ったあと、防毒マスクでもう一度入るときも、吸収缶を新しいものに替えます。
現場ごとの書き出しや、作業手順書のひな形づくりは、アプリバンクの無料経営相談(60分)でご相談いただけます。
決める3: 警報が鳴ったときの動き方を、元請と下請で同じにする
3つ目は、人の動きです。鳴ったときの役目が決まっていなければ、助けに入った人まで倒れます。
鳴ったら、逃げる・換気・原因を調べるの順
ガイドラインは、警報装置が鳴ったときにすることを、次の順で書いています。
- 作業している人と、その近くの人を、すぐに安全な場所へ逃がす
- もう一度入るときは、十分に換気し、COと酸素の濃さを確かめ、合った呼吸用保護具を着けさせる。防毒マスクなら、吸収缶を新しいものに替える
- 作業を始め直すのは、原因を調べ、換気や作業のやり方を改め、安全を確かめた後にする
人が倒れていたら、そこは濃いCOや酸素不足のおそれがある場所です。秋田労働局の資料は、助けに入る人も呼吸用保護具を着けるよう呼びかけています。ただ、ガイドラインは、こうした場所ではCO用の防毒マスクを使わないとしています。
COと酸素の濃さを測って保護具を選び、送気マスクか空気呼吸器(自給式呼吸器)で入ります。そのときは、外で見張る専任の監視者を置きます。送気マスクなら、空気の取り入れ口を新しい空気がとれる場所に置き、送気のホースがつぶれていないかも監視者が見ます(ガイドライン6(3)ロ)。発電機の排ガスのそばに取り入れ口があると、COをふくんだ空気を送ってしまいます。着けずに入れば、助ける人も共倒れになりかねません。
秋田労働局の同じ資料には、平成18年2月の事故も載っています。練炭とシートで基礎を密閉して養生していたところ、十分に換気せずに練炭の交換に入った1名がCO中毒になりました。「少し入るだけ」の作業こそ、手順書に書いておきます。

元請は、手順書を集めて見まわる
工事の一部を下請に任せている元請(元方事業者)には、ガイドラインが別の役目を示しています。下請から作業手順書を出させ、作業責任者の名前と見まわりの予定を、前もって知らせてもらいます。
そのうえで作業場所を見まわり、下請どうしの連絡と調整をします。COによる中毒のおそれがあれば、立入禁止にします。
だれの機材がどこに排気を出すかを見わたせるのは、現場全体を管理する元請です。
教育と訓練は、冬の前に1回
COのおそれがある作業につく人には、雇い入れたときや作業が変わるときに教えます。毎日の作業の前にも、気をつけることを全員に話します。
ガイドラインは、COの濃さが急に上がったときにそなえて、逃げ方や連絡の訓練をすることも求めています。11月中に1回、警報を鳴らして逃げる訓練をしておくと、本番で迷いません。
秋の点検で出た課題は、全国労働衛生週間|建設業が9月中に点検する4つとあわせて見直してください。
今日できる3つのこと
- この冬に動く現場を並べ、COが出る機材と空気がこもる場所が重なる所に印を付ける
- 会社にあるCO警報装置と呼吸用保護具、吸収缶がいくつあるかを数え、作業をする場所と人の数に足りるかを見る
- 作業手順書のひな形に、警報が鳴ったら「すぐ逃げる」「十分に換気し、COと酸素の濃さを測り、合う保護具を着けてから入る」「原因を調べて直し、安全を確かめてから始め直す」の順で動くことと、助けに入るときは送気マスクか空気呼吸器を使うことを書き足す
3つとも、手元の工程表と備品の台帳から始められます。足りない道具が分かれば、12月の工程に入る前に手配できます。
洗い出した結果から、手をつける順を一緒に決めたい方は、アプリバンクの無料経営相談(60分)をお使いください。
統合最適化メソッドで見る: 人・DX・収益
| 軸 | 何をするか | 効くところ |
|---|---|---|
| 人材育成 | 職長を作業責任者として育て、作業手順書を自分で書けるようにする | 社長がいない現場でも、同じ判断ができる |
| DX推進 | CO濃度と換気の記録を、測定器のデータとして現場ごとに残す | 警報が鳴った場所と回数が分かり、次の冬の段取りに使える |
| 収益改善 | COが出る機材を、替えられるところから替える | 警報が鳴れば、原因を直すまでその作業は始め直せない(ガイドライン3(4)ハ)。止まる作業を減らし、工期の遅れを防ぐ(効果の大きさは当社の推定で、現場で変わる) |
手順書を書ける職長がふえると、測った数字が残ります。数字が残れば、機材を替える現場を数字で選べます。3つの軸は、つながって効きます。
よくある質問
Q1. 屋外の現場なら、心配はいりませんか。
シートで囲えば、中は閉じた場所です。平成26年には宅地造成の練炭養生のテントの中で、2名がCO中毒になっています。囲った時点で、室内と同じに考えます。
Q2. 排風機を回していれば大丈夫ですか。
足りないことがあります。平成26年の浴室改修では、排風機があっても換気が足りず4名が中毒になりました。CO濃度計で確かめます。
Q3. CO用の防毒マスクがあれば、換気はいりませんか。
いります。CO用の防毒マスクは、濃いCOや酸素が足りないおそれがある場所では使わない、とガイドラインは書いています。マスクは換気の代わりにはなりません。人を助けに入るときも、防毒マスクでなく送気マスクか空気呼吸器を使います。
Q4. ガイドラインは、法律と同じあつかいですか。
ガイドラインは通達で示されたもので、条文ではありません。いっぽう第578条は労働安全衛生規則の定めで、事業者が守らなければならないものです。自社の現場に当てはまるかは、その現場を受け持つ労働基準監督署にお確かめください。
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出典一覧(取得日 2026-10-28)
- 厚生労働省「建設業における一酸化炭素中毒予防のためのガイドラインの策定について」(平成10年6月1日 基発第329号の1): https://www.mhlw.go.jp/content/11300000/001413642.pdf
- e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」第578条: https://laws.e-gov.go.jp/law/347M50002000032
- 厚生労働省「一酸化炭素による労働災害の防止について」(平成23年7月22日 基安化発0722第2号): https://www.mhlw.go.jp/content/11300000/001413631.pdf
- 厚生労働省の通達別紙「一酸化炭素中毒による労働災害の発生状況」(平成24〜26年。中央労働災害防止協会 安全衛生情報センター掲載): https://www.jaish.gr.jp/horei/hor1-56/hor1-56-44-1-2.pdf
- 東京労働局「建設工事等におけるガス管損傷及び一酸化炭素中毒等による労働災害の防止について(要請)」(令和8年3月23日): https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/content/contents/002601183.pdf
- 広島労働局「一酸化炭素(CO)中毒を予防しましょう!」(令和4年11月): https://jsite.mhlw.go.jp/hiroshima-roudoukyoku/content/contents/001319923.pdf
- 秋田労働局・各労働基準監督署「CO中毒を防ごう」(資料に発行年月の記載なし。載っている事例と統計は平成20年まで): https://jsite.mhlw.go.jp/akita-roudoukyoku/var/rev0/0113/0182/isankatanso210924.pdf
- 国土交通省「土木工事共通仕様書(案)令和8年3月」第1編第3章第10節 寒中コンクリート: https://www.mlit.go.jp/tec/r08dobokukoujikyoutsuusiyousyo/honbun01_syo03_setsu10.html
本記事は一般的な情報提供です。個別の現場の安全対策は、所轄の労働基準監督署や、労働安全・労働衛生コンサルタントにご確認ください。
更新履歴: 2026-10-29 公開
監修

監修:佐藤 望(株式会社アプリバンク 代表取締役)。建設業界30年。大手ゼネコンで国内の大規模プロジェクトを担当し、海外では子会社の立ち上げと経営再建に従事。
保有資格は認定ファシリティマネジャー/日商簿記1級/建設業経理士1級/第一種衛生管理者。日本内部監査協会 会員、東京商工会議所 会員。
株式会社アプリバンクは、経済産業省「DX認定事業者」(DX-2026-06-0021-01)。
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